2017年「目の健康講座」

10月10日の目の愛護デーにちなんだ「目の健康講座」が9月10日
徳島市のふれあい健康館で開かれました。

1 講演会

  • 「糖尿病網膜症について」 徳島県眼科医会常任理事 藤江 準 先生
  • 「ドライアイの診断と治療 最近の進歩」 徳島県眼科医会会長 盛 隆興 先生

2 アイバンク紹介

「日本アイバンク協会作成『ヒ・カ・リ』上映と角膜移植手術について 」
徳島アイバンク理事長 山根 伸太 先生

3 目の健康相談会

  • 盛 隆興 先生 盛眼科
  • 藤江 準 先生 藤江眼科
  • 三河 貴史 先生 中吉野眼科
  • 福本 幸司 先生 福本眼科

主催:徳島県眼科医会、日本眼科医会
共催:徳島大学、徳島アイバンク、徳島県医師会、徳島市医師会、ふれあい健康館、徳島新聞社

 今年は天候に恵まれ180人の聴講者の参加がありました。まず藤江先生には糖尿病の合併症の一つである「糖尿病性網膜症」について講演していただきました。

 日本国内における糖尿病患者とその予備軍の数は増加しており、それに伴って糖尿病三大合併症の一つである糖尿病網膜症も増加の傾向にある。糖尿病網膜症の最近の傾向としては、患者の若年化が目立つ。

 糖尿病網膜症は気付かないうちに進行していることがあるので注意が必要だ。

 糖尿病の治療の基本は血糖コントロールであり、網膜症が進行した場合にはレーザー治療や硝子体手術が行われる。手術技術の進歩により成功率は高くなってきたが、やはり定期健診等で早期発見するとこが重要だ。

 また糖尿病眼手帳と糖尿病連携手帳を活用してほしい。視力低下などの自覚症状が無かったとしても定期健診や糖尿病の治療をしっかり受けて、網膜症の発症・進行を予防してほしいとのことでした。

 次に盛先生には「ドライアイの診断と治療 最近の進歩」について講演していただきました。

 ドライアイとは涙液層の安定性が低下する疾患で、目の不快感や視機能異常が生じ、目の表面の障害を伴うことがある。まばたき回数の減少、乾燥、ストレス等の様々な環境要因がドライアイの原因と言われている。 症状としては「目が疲れやすい」「目がゴロゴロする」「目がかすむ」 などの自覚症状がある。

 治療法として、症状に応じた人口涙液、ヒアルロン酸点眼薬、ジクアス点眼薬、ムコスタ点眼薬の投与が一般的である。

 点眼薬で効果があらわれない場合は、涙点プラグという治療方法も行われる。これは涙点にプラグを挿入し、涙の排出口である涙点を閉じ、目の表面に涙を貯める治療法である。

 他に、ドライアイ専用眼鏡、サプリメント、アイシャンプー等、日常的にケアできる商品も販売されているので必要があれば活用してほしい。

 眼科を受診しドライアイかどうか診断してもらった上で、自分にあった治療法を見つけ、上手く付き合っていくことで快適な日常生活を送っていただきたいとのことでした。

 最後に山根先生には日本アイバンク協会作成「ヒ・カ・リ」上映と角膜移植手術について講演していただきました。

 視覚障害を持つ患者さんの中で「角膜移植」を待つ人は、現在日本に約2000人いるといわれている。

 角膜移植が必要な患者さんの中で、近年増加傾向にあるのがコンタクトレンズ装用者の「アカントアメーバ感染症」で、最悪の場合は失明に至る。眼科医の適切な指導のもと、コンタクトレンズの正しい使用方法を必ず守って使っていただきたい。

 アイバンクの献眼登録には年齢制限もなく、角膜が透明であれば誰でも申込ができる。但し、献眼者に感染症や、血液の病気、眼内の癌がある場合は登録できない。

 現在、角膜の提供者が足りない状態だ。「死後に角膜を提供してもいい」とお考えの方は、徳島アイバンクに眼球提供申込書を送ると、後日眼球提供登録カードが届く。

尊いご意見を普段から家族の方にもお伝えいただき、カードを大切に保管していただきたいとのことでした。

目の健康相談には30人の参加者が有り、担当の先生に熱心に相談する姿が目立ちました。

 当日出務していただいた先生方やふれあい健康館・徳島新聞社のスタッフのおかげで講演会は成功裏に終了いたしました。

皆様どうもありがとうございました。

徳島県民の皆様、来年もぜひご参加ください。