目の健康講座行事

2010年 目の愛護デー行事

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平成22年度 目の愛護デー行事「目の健康講座」が、10月3日(日)徳島県医師会館において行われました。今年はあいにくの雨にもかかわらず170人の参加者がありました。

 

1. 講演会

  1)「屈折異常は疾患」

     徳島大学眼科助教 長澤 利彦先生

  2)「眼科医が見る眼底検査」

     徳島県立中央病院 武田 美佐先生

 

2. 徳島アイバンク提供のビデオ上映

 

3. ラッキー抽選会

 

4. 目の健康相談会

 ◆相談医師

  大木 武夫先生(徳島市民病院)

  竹林 優先生(竹林眼科)

  福本 幸司先生(福本眼科)

  山添 健二先生(こくふ眼科)

 

 

 

 

 

徳島県眼科医会 会長 山根眼科 山根院長あいさつ

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講演会

屈折異常は疾患
     徳島大学眼科助教 長澤 利彦先生

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長澤先生には屈折異常について分かりやすく講演して頂きました。近視の原因、メガネをかける時期、治療法について、また遠視についても症状や子供の弱視の原因になることがあるということを解説して頂きました。最新の近視の治療法であるレーシック手術やオルソケラトロジー、有水晶体眼内レンズについても講演して頂きました。最後にメガネを作る時はまず眼科を受診する事が大切であると強調いたしました。

 

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講演内容の概要

 

 屈折異常は、実は誰しもが生涯のうちで経験しているものなのです。

 

物が見えるためには眼、視神経、脳と伝わって初めて”見える”という事になります。それらは、カメラ、コード、プリンターに例える事ができます。屈折異常とはこのカメラの中でもレンズの異常により焦点がフイルム上であわなくなった状態といえます。

 

屈折異常は [1] 近視(焦点がフイルムの前方で結ぶ)、 [2] 遠視(焦点がフイルムの後方で結ぶ)、 [3] 乱視(1点に焦点が結ばない)、 [4] 不同視(左右の眼で度数がある程度以上異なる)に分類されます。また、それらに加え調節障害の代表として老視(老眼)もあります。

 

屈折異常の代表的な治療は眼鏡とコンタクトレンズになりますが、最近ではレーシックやオルソケラトロジー、また白内障手術をされる方には乱視用の眼内レンズや多焦点眼内レンズが最新治療として挙げられます。しかし、これら最新治療には適応や利点・欠点がありますので治療内容を十分に理解することが大切です。

 

これら屈折異常の問題で視力が不良だと思われている方でも、実はその他の疾患が隠されていることが稀にあるため、「あれっ、眼鏡が必要かな。」と感じられた際は眼科病院を受診し、眼鏡あわせや眼の検診をする事をおすすめします。

 

「眼科医が見る眼底検査」
     徳島県立中央病院 武田 美佐先生

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武田先生には眼科医が見る眼底検査の重要性について講演して頂きました。緑内障、糖尿病網膜症、高血圧症などの眼底写真を分かりやすく解説して頂きました。検診での無散瞳眼底カメラだけでは詳細なことが分からないことがあるので、要精密検査と言われたら眼科医による眼底検査を受けることを呼びかけました。

 

 

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講演内容の概要

 

現在眼底検査が行われている健診は、1)特定健診 2)職場健診・人間ドックです。 特定健診では眼底検査は一定の条件下で、医師が必要と認めた場合にのみ次年度から施行されます。

 

検査方法は瞳孔を広げずに眼底カメラで眼底を撮影し、後で医師(眼科医でない場合もあります)が読影する方法が一般的です。 簡便で、患者さんも楽ですが、眼底の一部しか撮影できないため、糖尿病網膜症の初期などは発見出来ないことがあります。 糖尿病といわれた方は定期的に眼科を受診し、散瞳して眼底検査を受けることが大切です。

 

健診における眼底検査の目的は1)緑内障の早期発見、 2)自覚症状の乏しい網膜症(糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症、加齢黄斑変性の初期など)の発見、 3)高血圧や動脈硬化の目安を知ることなどです。

 

驚くべき事に、平成20年度の特定健診受診率は全体で38.3%しかありません。 どうかまず健診を受けて下さい。 できれば、健診で眼底検査が必要と判定された場合、眼底検査は眼科開業医で受けられることをお勧めします。

 

もし眼底写真の判定で「要精査」という結果が返って生きたら、まずその用紙を持って眼科開業医を受診して下さい。 いわゆる総合病院を受診される場合は、眼科開業医で地域連携室を通じて予約をとってもらい、 紹介状(診療情報提供書)を持って受診して下さい。

生活習慣病を指摘されることを怖がっていては、病気はどんどん進行してしまいます。健診を利用して上手に健康管理をしたいものです。

 

目の健康相談会

目の健康相談会には40人が相談をされました。

 

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当日出務していただいた先生方はもとより、徳島新聞社のスタッフの皆様の多大な協力のもと盛大に終了しました。皆様どうもありがとうございました。
徳島県民の皆様、来年もぜひご参加下さい。